「音楽は自由にする」 読了

あの坂本龍一氏の自伝。


有り余るほどの才能があるのだな、
という方なので、自分なんか
が読むと、正直、ちょっと嫌味に
感じてしまうところ少なからず、
ではあったが、面白かった。


一言で言うと、
「すごくまじめで、わがまま」
さが、あるところは、すごく嫌味なるし
あるところでは、すごく共感をもって
読めた。


自分に才能があって(それが条件だろうと思うが)
坂本氏と友達になれるとしたら、
最高に楽しいだろうが、最高に疲れるだろう。


それにしても
「君は音楽脳をもっていると」
吉本隆明氏は看破している話が
でてきているが、
本当にそのとおりの方だ。


音楽で哲学をやる人。


やっぱり天才だな。


そして、その天才坂本がバリ島で芸能のリーダーみたいな長老
の話を書いているのが、妙に心に残った。


「バリ島はプロのミュージシャンは一人もいない」


お金をもらって音楽をやるようになると、
芸能が廃れるんだそうだ。


バリ島のミュージシャンはみんなすごい能力を持っているが
お百姓とか大工とか、それぞれ職業をもっていて
音楽で食べているわけではない。


「自覚的に音楽を商品化しないようにしている」


とのこと。


そして坂本氏は、10代のころから感じていることだが、
として
「共同体が長い時間をかけて培ってきた音楽には、
 どんな天才も敵わないと思うんです。
 モーツァルトだろうが、ドビュッシーだろうが。
 共同体の音楽には絶対勝てない。」
と続けている。


音楽をはじめる瞬間における
構えからして違っているということか。


自分は、なぜ音楽をするのか・・・・


自分にとっての「共同体の音楽」ってなんだろう・・・


そんなもの・・ないのかも・・・


でもまあ、自分自身を楽しませたり、
和ませたり、勇気付けたり、
そんなことができれば、
自分としては十分。


ギターを楽しもう。



<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20080725

<目に入ったニュース>



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