読書感想:九条世界遺産に

実は、28日の長崎出張の途中の移動中の記載。
本が面白かったので。
仕事で日帰りなので、大変だ。
楽しみは移動中の読書。


憲法九条を世界遺産に」太田光中沢新一
を読んだ。
面白かった。


当然ながら自分も現状の憲法の矛盾、
特に九条の矛盾は感じている。
(少なくない方がそうだと思う)
「うそ」をつかざるを得ない、
日本の国としての対応に心苦しさを持っているという感じ。


そういったことは百も承知であろう
著者達がどのように
論を展開しているのか、楽しみに読んだ。


中身の概略は、
「その矛盾は矛盾として認めて持っていってみたい」
「ギャグ(書籍の中では「笑い」)みたいな態度だけど、
 矛盾を矛盾としてあえて許してもっていくことのなかに
 大事なものがふくまれている」
といったことか。
それを憲法という国レベルでやってきている日本をもって、
(また、そういう憲法ができたということも含めて)
「奇跡」ゆえ
世界遺産へ」
ということを提言している。


太田氏の態度は、テレビのなかでも一貫しているが、
「勘違いは正しい。許される(というかそれこそ個性だ)」
「違いを違いとして許すことから面白さはうまれる」
「理想を論とすると、リスク大。
 でも芸をもってそれを進めてみたい」
ということなのかと思う。
太田氏は、これを自分の生業としてチャレンジしているの
だと思った。
確かにリスク大きい。
自分はテレビの太田氏がそれほど好きではない。
「熱すぎ」と感じるから。
(太田さん、ファンの方、ごめんなさい!!)
その根っこのところがよく現れていた。
中沢氏が、
「そのうち怪物のような芸が太田さんから
 うまれるかも」
といっていたが、そうかもしれない。
できたら、それをみてみたい。


中沢氏は相変わらず最高!
ちょっとした文しか読んでいない
(近頃では「ほぼ日」でよんだ。)
のだが、様々な興味深い
著作があるのをしっているので、
ぜひ読んでみたいと改めて思った。


ちょっとだけ、
自分の今の日本国憲法に対する考えを。
(リスクの高い話題なので、あくまで
 ”今この本を読み終わった気分”といいわけの上で)


日本国憲法の上にたっていて
「どうしても困ってしまうこと、
 それが容認がとてもむずかしいこと」
が発生してしまえば、
(その発生予測が現実に近づけば)
変えていかざるを得ないと思っている。
「九条」<「基本的人権
ということをみせられる瞬間
があってしまうかもということからだ。


でも、もし将来できることなら、
日本だけではなく、世界のすべての国が、
憲法で非戦はあたりまえだよね」
となれば、いいなあと思う。
(太田氏と同程度の理想論だな)


だから、自分としては、
そういう世界を夢見て、
「こういう世界が30年後に現れると予測し
 また、その実現に努力することを目的とした
 新たな憲法を作ります。
 今の九条は30年後再登板ということにします」
ということかな。



PS
「30年後」はできれば自分が生きているうち
(もちろん保証はない)に実現しないかなあ
との勝手な希望から。

<去年の今日>
http://d.hatena.ne.jp/y1kirihara/20060227