<Hobo'sにて>

ここでも先客の方がすばらしい音を
響かせている。
『McGill Guitars SUPER ACE Steel Strings KOA 2002 N.MINT \858,000 (\900,900) 』
ポールマクギルという方は、
アールクルーのギターで有名。
このスーパーエースというモデルは、
リチャードスミス
(イギリスからアメリカに渡って
 ナショナルフィンガーピッキングチャンピオンに
 なった人)
も使用しているもの。

実は、自分は昨年、このマクギルの
ギターはナイロン弦のものを試奏させて
頂いており、その際、このスーパーエース
弾かせてもらった。
素晴らしいギターだ。
鉄弦で、ボディーとネックの
接合部が、斜めにカッタウェイを助ける
ように斜めになっていて、エレキのようだ。
しかし、ヘッドの糸巻きは、クラシックギタータイプ
で、独特の歯切れよさに一役かっていると思われる。
自分がこのギターの最も買っている点は、
もちろん音なのだが、トップ板の鳴らし方が
クラシックギターに近い点だ。
というのは、
12フレットジョイントのギターと同様の位置に、
駒があるのだ。
実は、このことは、自分の演奏スタイルに
大変あうのだ。
駒の位置が、トップの真ん中より下(ネックと逆方向)
に位置することにより、「弾く位置による音色の変化」
がつけやすいのだ。
自分は、12フレットジョイントのギターで、
カッタウェイを探したりしているが、理由はここにある。
このギターは、このニーズにずばりはまるのだ。
音は、分離のよさが特徴。
ギター雑誌で、マクギルのインタビューを読んだことが
あるが、サイドをがちっと固めて、トップを振動
させやすくするとのことであるが、それがわかる。
自転車は、フレームが硬いのが乗りやすいのだが、
それと同様の、「音像のクリアさ」といったものが
感じられるのだ。
いい音だった〜。

ここも、全く購入の意図はなかったので、
この音で満足して帰ろうと思ったら、
「お久しぶりですね」のお言葉。
めがねをかけた若い店員さんであるが、
自分を覚えていてくれたのだ!
3ヶ月に一回くらいしか、こないから、
すごい記憶力だ。
過去試奏したとき、
ポールマクギル狙い撃ちしたり、
12フレットカッタウェイを探したりと
マニアックだったので、
覚えていてくれたのかも・・・・
と思いつつ、感謝。

この店員さんの耳もすばらしい。
「なにか面白いのありますか?」
との問いに、以下を試奏させてくれた。


『Tony Vines ギター。表板、演奏時右腕のあたる部分が斜めにカットしてある機種 』
各弦の音の分離がすごい。
また、なぜか、低音の輪郭がめちゃくちゃクリア。
完全なフィンガーピッキング、それもソロ用と思った。
それにしても、このすっきりした低音!
「この低音のクリアさすごいですね」
といったら、
めがねの店員さんいわく、
「弦長が長いんですよ」と。
なるほど!!
それにしても・・・・
弦長が長いことをまったく
感じさせない弾きやすさは、すばらしい。
それと、けっこう弦高が高かったのだが、
これがまた、理由のある高さ
なのだ。
「鳴らす」ことをプレイヤーに
求めてくる楽器なのだ。
いい・・・ほしい・・・・。
完全に満足して、
以上の感想をめがねの店員さんに、
申し上げながら、
数曲分くらい、弾きまくってしまった。


「もう一つ面白いのあるんですよ。」
といって、試奏させてくれたのが、以下。
『 EHLERS Model 16 Cutaway 2005 NM \680,000 (\714,000) 』
これは、今度は60年代からのベテランルシアーとのこと。
これがまた、みごとにTony Vinesと音の設計思想が
違っている。
このギターは、各弦の音の混ざり方が美しい。
日本でいうところの「フォークギター的音のよさ」
といった感じ。
また、弾いた感じも、
Tonyの方がガツーンとくる弾き心地なのに対し、
こちらは、「粘りのある」という感じだ。
アルペジオなんかで、歌の伴奏したりすると
最高と思う。
(Tonyの方は、「伴奏」という感じは全くなし)

以上、大変楽しいときを過ごせた。

なお・・・
こんなことやりながら、
1本も購入できないところが申し訳ない。
次にHobo'sにくるときは、
「お店のファンです!!」といって
めがねの店員さんに、お土産を持っていきたいくらいだ。