このテキストを書こうと思ったわけ 

ギタリスト人口というのは、楽器をたしなむ人の中で、一番割合が多いのではと思う。楽器店での売り場面積や、住宅環境を考えると、あながちはずれではなかろう。そして99%以上はアマチュアだ。だからアマチュアの方が日々楽しんでいることを綴った本があってもいいなと思って探してみた。しかし、見当たらなかった。
ギターを弾く人は多くても、「永くギターを楽しんでいる人」というのは、それほど多くないのかもしれない。
みんなギターを始めた当時、多くの方が中学生とか高校生の時だと思うが、「うまくなるのが実感できていたとき」は楽しい。ギターでなくても、学校の勉強でも、自分からすすんでやって上達が実感できるということは楽しいものだ。
しかし、うまくなるのが限界になったとき(そんなことはないと思うのだが、そう思ってしまったとき)「何が楽しいのか?」が分からなくなり、趣味でなくなっていく。ギターはギターケースの中で冬眠となる。
自分はアマチュアギタリストであるが、ギターを弾くことを日々楽しんでいる。その楽しみは「上手になることが楽しい」といったことは、無くは無いが、さすがに40歳を超える自分では少ない。それに、上述のように自分はギターをオーケストラのようにはとても弾けないということはさすがにわかる。
でも、これも何度か書いてきたことの繰り返しになるが、楽しさは上手さだけではない。
思い切って、「人前で弾く」ことをしてみるとわかる。またそこまでできなくても、「人前で弾いている人の演奏を聴く」ことをしてみると実感できる。上手になるということより、むしろシンプルに、音楽するのが楽しい。その楽しさを伝えたいと思った。