抱えた瞬間離したくない

「抱き心地ってあるんだ!」とかいうと、実に不純な物言いの感じがするが、(特に自分のような中年が言うと・・・)ギターでは、本当にそういうものはある。
自分は、20代から30代半ばまでは、「軽いギター」が憧れだった。もっていたのがモーリスの「丈夫なことが唯一のとりえ」みたいなギターで重かったことで、その反動だろう。軽いギターは、持った瞬間「鳴りそう」と思えるし、大体軽く感じるギターの方が実際鳴りはいい気がする。ただ、このごろ逆に重めのギターを見直しつつある。特に表面板は薄いのだが、サイドとバックががちっと作った感じで、芯のある感じ、というか、すきっとした音像というか、そういうイメージを持てるくらいの重さの方が好きになっている。
形は小さめが好きだ。トリプルオーとかダブルオーとかが、見た目とあわせて好きだ。形としては「抱いた感じ」をイメージすると、くびれが大きいほうがなんとなく、いいような感じがするが、自分としては、逆で、あまりくびれが極端ではない、ドレッドノートや普通のクラシックギターの方が好きだ。

以上いろいろ書いたが、音と同様ギターも持った瞬間「はまった」と感じるギターと、「どうも収まりが悪い」というギターがある。そして難しいのは、音のよしあしと必ずしも一致しないということだ。
もちろん、もし手に入れるとしたら、音と抱き心地、両方がいいものでなければならない。