万年筆の思い出

2008年の今、自分は万年筆を使い始めてもう10年以上だが、2002年冬から2007年夏まで、およそ5年間、5千円以上する万年筆を使うのを封印した。
2002年の冬、出張先でインフルエンザに倒れ、一人でホテル養生する羽目になった際、使い込んでいた万年筆をなくしてしまったのだ。
出張から帰任後、出張先のお客様や宿泊した何件かのホテルその他思い当たるところすべてに電話して問い合わせまでして探したのだが、残念ながら結局でてこなかった。実はその万年筆は、両親から、自分が会社で昇進した際、贈り物としていただいたものだ。本当に大事なものをなくしてしまった・・・その後しばらく、ノートを取る時ふとそのことを思い出し寂しい気分になるといったことが続いた。その気持ちから「高い万年筆はもう使わない」と決めてしまった。代替がないものを使ってしまうとそれがなくなった際、つらい思いをする。もう、そんな気持ちになりたくない。そう考えてしまった。そして、その気持ちが癒えるのに5年かかったということだ。
2007年、自分はちょっと会社で昇進させていただいた。その機会にもう一度大事に使う1本を購入した。今大事に使っている。