道具といってもいろいろなものがある。自分はどのような道具が好きか?子供のころ宝物だったのは、グローブ。球がとりやすいようにと、一生懸命ワックスを塗ってやわらかくして自分の型にした。そしてそれを使い込んでいくと、まるで自分の手そのもののように感じるようになったことを覚えている。
自分はこのような道具が好きだ。
いま、こんな感じをもって接しているのはもちろんギターなのだが、もう一つが万年筆だ。手入れをするというわけではないのだが、グローブが「今日もいい天気だ。外へ飛び出そう」という気持ちをいつも持たせてくれたように、かっこいい万年筆は「なんか書こうかな、書きたい」という気分にさせてくれる。
もちろん「いまさら手書きなんて、はやらないだろう」と思うし、「大量に速く文章を作るのはパソコンの方がいい」これは、事実だ。
でも、万年筆は文字を綴る道具だが、同時に「個性を表現するための道具」なのだ。この言葉は、インターネットで万年筆製作者の方が書いていた表現なのだが共感している。
「下手というのは、それだけで個性的。だから、下手な人ほど、万年筆を使ってほしい」
とのこと。