フィンガーピック

自分はダイナミクスを極端なくらいつけたいと思うときがある。だから、強く弾きたいとき思うときは予めフィンガーピックを使うようにしている。バキバキッと強く弾くのは気持ちがいい。(指自体を壊さんように注意しよう…)
フィンガーピックを使うプロでは、ドイツのピーターフィンガー、ウィルダムヒル創始者、ウィリアムアッカーマン、またアレックスデグラッシも使っている。いずれもCDを聴いても実にきれいな音でフィンガーピックのノイズがまったく聞こえない。やはりみんな達人なのだ。
自分もここまで使いこなせればいいのだが、なかなか指と同じというわけにはいかない。ちなみに自分は2種類のフィンガーピックを使っている。どちらも金属製だ。プラスチック製も販売されているが、自分の指には小さくて指への締め付けが強くて痛い。持っている2つの内の1つは、指の全面を覆うやつで、普通よく売られているもの。もうひとつは新型で、指の腹の部分はくりぬかれているものだ。
以前は指全面を覆うものしか売られていなかったのでそれを使っていたのだが、そのタイプの弱点は、右手指による消音が難しいことだ。だから以前は、特に消音が大事な曲では、つめの状態がよくない状況になっても、結局音量を全体的に下げて自分の指で演奏していた。ギターの鳴りは、気に入らない状況になるのだが、仕方なしと諦めていた。
ちなみに、弦の方をやわらかくすればよいのではと思い、コンパウンド弦や、スーパーライト弦も試してみたこともある。しかし、これについては、前節で記載したが、「弦がギターに負ける(木がならない)」状態でだめだった。
ところが数年前、指の腹の部分をくりぬいた形の新型の消音可能なフィンガーピックを見つけた。これがけっこうよくて、今ではつめの状況が悪くなると愛用している。
2種類のフィンガーピックの比較としては、音のクリアさ、扱いの簡単さでは指全面を覆うものの方がよい。音の強弱をつけやすいし、簡単に芯のある音を出せる。ただし先述のように弱点は消音だ。右手指を当てることによる消音が難しい。一方、指の腹が出ている方は、その場所で消音ができ、生指と使用感が近い。但し金属部の質量が減るため、指の弦に当たる角度を間違えると、ぺらぺらで本当に聞くに堪えない音になってしまう。また「指の腹での消音」についても、金属部が同時にあたってしまうとノイズとなる。従い、美しく弾くにはやはりテクニックが必要だ。昔の自分であれば一も二もなく一般的タイプを選択するところなのだが、このところ自分はリズミックなプレイっていいなあと思っていて、右手での消音はそのキーポイントだ。だから、難しいのは承知で、新しいタイプの指の腹がでるピックにチャレンジしている。