仕事は生活の糧だ。やらなければ生きていけない。自分もギタリストであるので、たまにプロのギター演奏家だったらよかったのになあ(すごくギターが上手かったらいいのに)と思うことはある。ギタリストで、ギター弾くのが至上の楽しみと感じた瞬間を持ったことがある人なら誰でも思ったことがあるのではと思う。
でも一方、趣味は趣味、仕事とすれば好きという気持ちだけではやってられないときもあろうから、仕事にはしたくないなという気もする。例えば、ギタリストとしてCDデビューできてしまったとして、CDをそれなりの頻度で発表していけるか? また「お客が呼べる公演」というのをずっと続けていけるだろうか・・・等々、「お金を稼ぐ」ことはすごく大変であることは間違いない。
仕事とは、好き嫌いにかぎらず、自分をそれで表現することが大事と思っている。いまどきの若い方の考え方では、
『自分にあった仕事を・・・ つまり自分が本当に好きなことを仕事にしたい』
という考え方がある。自分はこの考え方にちょっと賛成していない。確かにこれは理想的かもしれない。でも、これは誰と比べても1番という才能が必要だ。しかもその才能は、技術的に優れているのみならず、「それならいくらやっても飽きない」ということも含めてのものだ。そんなものが若くしてみつかるなんて思えないのだ。ごく一部の特別な方だけだろう。普通の人は「仕事は生活の糧」として取り組んで、やっているうちに楽しみがでてくるものだと思う。そう考えると、なにを仕事にするにしても、まずは、懸命に取り組み、その結果として自分らしくやること、が上手な仕事の仕方と思う。
一方、趣味、自分の場合はギターだが、これはもっと自由だ。やりたくなければやらなくていい。服を選ぶことにたとえてみると、仕事というのは、機能とルールか決められた仕事着であるのに対し、趣味というのは、休日に着ていく服を選ぶようなものだろう。自分としては、趣味は趣味としてなるべく制約されることが少ない状態で楽しめることの方が大事だ。