あがるということ

クラスタのフリーコンサートには既に何回もでているので、
「もう緊張しないでしょう。全く緊張してないようにみえますよ。」
などと言われるようになった。
でも、実際は、そんなことはなく、多分、いつまでたっても緊張をしなくなることはないだろうと思う。
ひどい緊張だとどうなるのか。
1-1でクラスタでのフリーコンサートで最初のとき、ひどかったと書いたが、具体的にどんな感じだったのか、恥ずかしながら紹介しよう。

まず、最初挨拶。
さすがにこれは普通だったが、ふと顔を上げた瞬間、観客のみなさん(といっても十数人だが)の視線にたじろぐ。それで早速、そこからのMCからして相当あがってしまう。
こんなこと話そうかなと考えていたことなど、あっというまににぶっ飛んでしまっていた。
本当は、このような状況になってしまったら、あまりしゃべらない方がいいのだろうが、そんなことはもちろん頭がまわるはずも無く、いらんことを話してしまう・・・。(後で自己嫌悪に陥る・・・)
自分の場合、同じ単語を、何回か繰り返してしまった。内心、(「やばい・・・なにいってんだろう・・・」)という状況。
汗が吹き出てくる。(「ちょっと赤面してるかなあ、」)などと思いつつ、早く演奏にいこうと思う。
「では」
と、おもむろに弾こうとする。観客の方も、
「おっ、始まるな」
といって注目する。

そうしたとき、
(「あれ、チューニングしたっけ?」)
と思い出してしまい、
「ちょ、ちょっと待ってください」
などと、再チューニングをする。
(「自分って、なんて間が悪いんだ・・・・」)
とさらに焦る。

そそくさとチューニングを済ませ、じゃ、と演奏を始める。

(「あれ・・・あれ!・・・これが自分の音?・・・・」)
自分は、サイレントギターなので、元々ピックアップを通した音で練習しているが、自分が家で聴いている音と違うのだ。

そんなの当たり前なのだが、すでに普通の自分でないのだ。
「当たり前だ」
なんて冷静に受け入れることなどできない。
(「ああ・・自分が弾いているんじゃないみたい・・・でも、確かに自分が弾いている」)
ここで、あまりに「自分が弾いている感の喪失」が大きい場合、最悪の「真っ白」となり、演奏がとまってしまう。
クラスタでの初フリーコンサートのときは、確実にそのリーチまでいっていた。

以上が、自分の初のクラスタフリーコンサートのときのあがりの状況。(とっても恥ずかしい・・・)

この状況後、自分の演奏が終わって、他人の演奏を見る側になると、自分と同じように「あがってしまう人」に対して、思いっきりやさしくなれる自分に気づいた。